第六話
1.歩み寄った─兄が兄になった日
『なんであの時、僕に触れたの?』
そう問われた時、心臓が抉る痛みよりも別の感覚で覆われた。
それに答えるなら、早く今の現状をどうにかしなきゃという日々の焦りとは違う。
切迫した焦りに襲われて無我夢中だったからとしかいえない。
人はすぐに死ぬ。秘密警察犬という人外でも基本的には姿かたちさえも人間とは変わらないし、それに加えて兄の遥と私は普通の人間よりもむしろもっと脆く出来てしまっている。
知ってる。ただの風邪でもただの怪我でもただ頭を打っただけでも呆気なく死ぬんだって。
なんでもない日常でこそ死んでしまう生き物なんだって分かってたから、この兄に死んでほしくなくて。
結果的に涙はボロボロで顔もぐちゃぐちゃになったけれど男性恐怖症といえるような症状は発症しなかった。
どうして触れたのか。あの時こんなことがあったと先に伝えられてたのか分からないけれど、後から聞いたにしろ「洋兄に触れて嘔吐した」という事実もあるくらいの重度の恐怖症持ちの私が何故触れてきたのか。
何故あの時に限ってあんな風に。結局無言のまま寝たふりをして私は答えなかったけれど。疑問に思って問いかけるには十分なことだったと思う。
あの時無我夢中で恐怖さえ忘れながらもどこか冷静な自分がいて、周りに唯一難なく触れ合える女性という知人はいない私は、久々に人に触れた。久々に人の肌の滑らかな感覚がした、気がした。
暖かかった気が、した。
「…なんで、子供みたい……」
それを自覚してしまえばドッと色んな感情に呑まれて訳もなく泣きそうになる。
…────ああ、まるでこれは小さな子供が母親に焦がれるようなどうしようもない幼い思い、
寂しいとか焦がれるとか、人肌が恋しいとか誰かの傍にいたいとか、
思い出させてしまった。私のそういう人らしい当たり前な部分。
洋兄に触れた時みたいにこういう言い方は洋兄に失礼だけど、義務感というか必要に迫られて追い立てられるように焦って、じゃなく。
触れたいと願い望んでしまうような自らの意思。
きっとこれこそがこの世界での私に必要だったことで、その必要な物はこんなにも簡単にこの手に入ってしまった。
図らずともあの一番苦手で一番近くに居たくなくて傍に居てほしくない、兄、遥によって。
寂しい。会いたい。会いたいに決まってる。触れたい。笑いたい。抱きしめてほしい。お母さんお父さん、友達でも学校のおじいちゃん先生でも誰でもいいから私を抱きしめて。そういう温もりがほしいとか。人が恋しいとか。そういう感情が。素直な心からの喜怒哀楽が。
思い出さないようにし続けていたソレが、私には今一番必要だった。
「!悪い!今日も遅くなる…から、遥と二人で留守番頼めるか…?あああ大丈夫が二人で留守番できるか二人とも今日休みだよな二人とも戸締りも出来るような知らない人が来てもドア開けちゃだめだぞあああ荻どうしよぉおお」
「早く来い洋」
「あ、兄を…よ、よろしくねお願いしま、す…」
「…ああ」
困った。
何が困ったって目の前で割りといい年になってきた兄がどこのオカンだというくらいの過保護で泣き叫ぶこともだけど、目の前の兄の相棒である荻さんという未だに接触が少ない人物の威圧感(大きい身長とスーツと無愛想さ)もだけど。
昨日の今日で遥と二人で留守番させられて、しかもタイミング悪く丸一日二人合わせて訓練も勉強もないということ。
射撃場が都合が悪いらしい。射撃の訓練だったはずなのに違うスケジュールを突然組むとなると、勉強のために都合をつけるのが難しかったらしい。
遥と私はまだ年も近いけれど洋兄は大人で警察犬としてほぼ自立してるに近い。遥はまずまずだけどなんせモヤシなので訓練は普通よりする。途中で倒れて中断の多いことったらないから。私は勿論まだまだ訓練のみ。
のでこういうことになる。
私は引きつった顔のまま兄を見送りとぼとぼと遥を探しに行く。
なんせ急なお休み宣告だったのでもう三人揃っていつもの訓練場のあるここへやって来てしまった。
遥は今どこに居るだろう、と探して見つけ出してその旨を告げると「ふーん」と淡白な返事が帰ってきて無言でいつものように手を引かれて家へと帰宅する。
モヤシの私たちには意味もなく行き来させられるのは正直辛い。
でも帰ったら丸一日お休み…!訓練勉強漬けの時間からの開放…!と喜ぶべきなのかもしれないけれど。
帰宅して。とりあえず手洗いうがいをして部屋着に着替えて二人してソファーに座って各自本を読み始めて。
隣で暫くしてから口を開いた兄をみて。
「……いつもと違った」
「…え」
「ねえ、なんで抵抗しなくなったの?…なんで、触れても震えもしなかったの」
やっぱり昨日の今日でこれは喜ぶべきことじゃなかったと再認識した。
……ああ、私、やっぱり昨日のあんなことで簡単に、人へ、触れられることへ、ということの恐怖心が薄れてきている。
女性には難なく触れられるといってもそれでも少しは抵抗がある。
なんにせよ人肌だとか他人の存在だとか、寂しいだとか恋しいだとか、自覚して望んでしまった。
この世界の薄っぺらい血の繋がりだけで、私の心自体は兄とも思ってない兄を肉親だとして、前世での母や父や友人に望むように近しい物から与えられる暖かさだとか安心感だとかを彼らに求めた。
…とても都合のいい話?寂しいから兄だとも思ってなかった彼へ求めた?
都合よく考えるなら、私がもう既に兄たちを、この兄を「兄」だと実感していたんだよ、だとか。
…馬鹿みたい。ほんとに、馬鹿みたいだ。
じゃあ私は感じたことがあるの。前世の両親や友人や大好きな先生やおじいちゃんおばあちゃんに感じたみたいな親愛を、愛情を、暖かさを、心を配るという大好きな人への証を、
彼ら二人にしたことがあるのか。いとしい、と。
「……、」
傍にいてほしいと。
「……わた、し、は」
笑ってほしいと
「……ほんと、は」
望まれたいと、望みたいと
「………さびし、い」
通じ合えなければ寂しいとか悲しいとか。彼らに対して感じるのか。
それは、考えてみれば簡単なことで。
彼らの優しさを跳ね除けてしまう時に感じる罪悪感とか、悲しい目をさせてしまうときの胸の痛みとか、彼らと通じ合いたいといくらこの先への打算があったとはいえ、
どうしようもない底の知れない恐怖さえも撥ね退けて手を伸ばしたこととか。
彼らのかわいい妹になれなかったこととか。彼らの存在しなかったはずの妹として生まれてきてしまったことへの後悔とか罪の意識とか。色んなことが出来なくて失敗したときに兄に優しく励まされながら、心の中でひたすら呟く泣きそうな「ごめんさい」とか。
そんなことはどうでもいい他人や嫌ってる人間に対して感じることでもないしその人らのために改善しようと努力するはずもない。
この世界が嫌いなら徹底して壊してしまえばいい。尊重なんてせずに台無しにしてしまえばいい。
兄なんてしったことかと跳ね除けてしまえばいい。私はこの世界に一人という誰の加護もない恐怖だけでない。
この世界への愛しさとか兄たちへの大なり小なりの好意からそう突き動かされていたはずなのに。
手を伸ばすことが、どうしようもなく怖かった。
「…ッ」
「……え」
そして。
思わず、といったように激しい感情に突き動かされ伸ばした手は再び遥の下へと向かう。そしてその手が彼の手に震えながらも重ねられた途端、彼は目を見張った。
そしてアルビノらしく白く色のない肌が、頬が、色づいていく。
再三言うけれど、彼は白いのでそれが際立つ。見間違いではないことは確かだった。
いつもの兄からしたらあり得ない程ある意味意表を突かれたとでもいうよに間抜け面になってしまった彼をみて、『あ、かわいい』と心の中で呟きぽかんと感心してしまった私。
そして今のことでも分かるようにかわいいなんて好意も何もない人間に対して抱く感情でもなんでもなく、
とうとう私はこの兄を兄だと、いや兄やなんだという括りは一度置いたとしても、一人の人間として、生き物として、人格として、好ましく思って愛着がわいてしまっているのだと自覚を促される。
勿論それは洋兄にも当てはまる。あの時のように切羽詰って追い詰められた状態でなく、望んでいる今なら私はきっと洋兄にも、と思ったところで。
「…────やっぱり、おいてけない」
私はぽつりと小さく、苦々しく言葉を吐いた兄に抱擁された。
突然のことに驚くとか照れるとかいう前に、
モヤシのくせにそんな無理して力こめるとまた手がイカれる…!と変な心配をして嫌な汗をかいてしまっていた私。ある意味パニックだったに違いがないけれど、健康体だった過去がある私より遥の方が明らかに加減がわかってないので同じモヤシでもハラハラもする。
ただ何がなんだかわからないこのイレギュラーへの恐怖もじんわりとわいてきたけれど、やっぱり人の温もりはこんなにも心地いいんだという事実だけが頭に巡り。
ただ目を瞑る。
私はその時ただそれだけしかしなかった。受け入れることが出来たといえそんなに簡単に動悸とか、恐怖心とか、震えとか嫌な汗だとか、サッパリと消えうせることはありえない。ただソレを受け入れようとすることだけで精一杯で。
その言葉の意味を考えることもなく。
1.歩み寄った─兄が兄になった日
『なんであの時、僕に触れたの?』
そう問われた時、心臓が抉る痛みよりも別の感覚で覆われた。
それに答えるなら、早く今の現状をどうにかしなきゃという日々の焦りとは違う。
切迫した焦りに襲われて無我夢中だったからとしかいえない。
人はすぐに死ぬ。秘密警察犬という人外でも基本的には姿かたちさえも人間とは変わらないし、それに加えて兄の遥と私は普通の人間よりもむしろもっと脆く出来てしまっている。
知ってる。ただの風邪でもただの怪我でもただ頭を打っただけでも呆気なく死ぬんだって。
なんでもない日常でこそ死んでしまう生き物なんだって分かってたから、この兄に死んでほしくなくて。
結果的に涙はボロボロで顔もぐちゃぐちゃになったけれど男性恐怖症といえるような症状は発症しなかった。
どうして触れたのか。あの時こんなことがあったと先に伝えられてたのか分からないけれど、後から聞いたにしろ「洋兄に触れて嘔吐した」という事実もあるくらいの重度の恐怖症持ちの私が何故触れてきたのか。
何故あの時に限ってあんな風に。結局無言のまま寝たふりをして私は答えなかったけれど。疑問に思って問いかけるには十分なことだったと思う。
あの時無我夢中で恐怖さえ忘れながらもどこか冷静な自分がいて、周りに唯一難なく触れ合える女性という知人はいない私は、久々に人に触れた。久々に人の肌の滑らかな感覚がした、気がした。
暖かかった気が、した。
「…なんで、子供みたい……」
それを自覚してしまえばドッと色んな感情に呑まれて訳もなく泣きそうになる。
…────ああ、まるでこれは小さな子供が母親に焦がれるようなどうしようもない幼い思い、
寂しいとか焦がれるとか、人肌が恋しいとか誰かの傍にいたいとか、
思い出させてしまった。私のそういう人らしい当たり前な部分。
洋兄に触れた時みたいにこういう言い方は洋兄に失礼だけど、義務感というか必要に迫られて追い立てられるように焦って、じゃなく。
触れたいと願い望んでしまうような自らの意思。
きっとこれこそがこの世界での私に必要だったことで、その必要な物はこんなにも簡単にこの手に入ってしまった。
図らずともあの一番苦手で一番近くに居たくなくて傍に居てほしくない、兄、遥によって。
寂しい。会いたい。会いたいに決まってる。触れたい。笑いたい。抱きしめてほしい。お母さんお父さん、友達でも学校のおじいちゃん先生でも誰でもいいから私を抱きしめて。そういう温もりがほしいとか。人が恋しいとか。そういう感情が。素直な心からの喜怒哀楽が。
思い出さないようにし続けていたソレが、私には今一番必要だった。
「!悪い!今日も遅くなる…から、遥と二人で留守番頼めるか…?あああ大丈夫が二人で留守番できるか二人とも今日休みだよな二人とも戸締りも出来るような知らない人が来てもドア開けちゃだめだぞあああ荻どうしよぉおお」
「早く来い洋」
「あ、兄を…よ、よろしくねお願いしま、す…」
「…ああ」
困った。
何が困ったって目の前で割りといい年になってきた兄がどこのオカンだというくらいの過保護で泣き叫ぶこともだけど、目の前の兄の相棒である荻さんという未だに接触が少ない人物の威圧感(大きい身長とスーツと無愛想さ)もだけど。
昨日の今日で遥と二人で留守番させられて、しかもタイミング悪く丸一日二人合わせて訓練も勉強もないということ。
射撃場が都合が悪いらしい。射撃の訓練だったはずなのに違うスケジュールを突然組むとなると、勉強のために都合をつけるのが難しかったらしい。
遥と私はまだ年も近いけれど洋兄は大人で警察犬としてほぼ自立してるに近い。遥はまずまずだけどなんせモヤシなので訓練は普通よりする。途中で倒れて中断の多いことったらないから。私は勿論まだまだ訓練のみ。
のでこういうことになる。
私は引きつった顔のまま兄を見送りとぼとぼと遥を探しに行く。
なんせ急なお休み宣告だったのでもう三人揃っていつもの訓練場のあるここへやって来てしまった。
遥は今どこに居るだろう、と探して見つけ出してその旨を告げると「ふーん」と淡白な返事が帰ってきて無言でいつものように手を引かれて家へと帰宅する。
モヤシの私たちには意味もなく行き来させられるのは正直辛い。
でも帰ったら丸一日お休み…!訓練勉強漬けの時間からの開放…!と喜ぶべきなのかもしれないけれど。
帰宅して。とりあえず手洗いうがいをして部屋着に着替えて二人してソファーに座って各自本を読み始めて。
隣で暫くしてから口を開いた兄をみて。
「……いつもと違った」
「…え」
「ねえ、なんで抵抗しなくなったの?…なんで、触れても震えもしなかったの」
やっぱり昨日の今日でこれは喜ぶべきことじゃなかったと再認識した。
……ああ、私、やっぱり昨日のあんなことで簡単に、人へ、触れられることへ、ということの恐怖心が薄れてきている。
女性には難なく触れられるといってもそれでも少しは抵抗がある。
なんにせよ人肌だとか他人の存在だとか、寂しいだとか恋しいだとか、自覚して望んでしまった。
この世界の薄っぺらい血の繋がりだけで、私の心自体は兄とも思ってない兄を肉親だとして、前世での母や父や友人に望むように近しい物から与えられる暖かさだとか安心感だとかを彼らに求めた。
…とても都合のいい話?寂しいから兄だとも思ってなかった彼へ求めた?
都合よく考えるなら、私がもう既に兄たちを、この兄を「兄」だと実感していたんだよ、だとか。
…馬鹿みたい。ほんとに、馬鹿みたいだ。
じゃあ私は感じたことがあるの。前世の両親や友人や大好きな先生やおじいちゃんおばあちゃんに感じたみたいな親愛を、愛情を、暖かさを、心を配るという大好きな人への証を、
彼ら二人にしたことがあるのか。いとしい、と。
「……、」
傍にいてほしいと。
「……わた、し、は」
笑ってほしいと
「……ほんと、は」
望まれたいと、望みたいと
「………さびし、い」
通じ合えなければ寂しいとか悲しいとか。彼らに対して感じるのか。
それは、考えてみれば簡単なことで。
彼らの優しさを跳ね除けてしまう時に感じる罪悪感とか、悲しい目をさせてしまうときの胸の痛みとか、彼らと通じ合いたいといくらこの先への打算があったとはいえ、
どうしようもない底の知れない恐怖さえも撥ね退けて手を伸ばしたこととか。
彼らのかわいい妹になれなかったこととか。彼らの存在しなかったはずの妹として生まれてきてしまったことへの後悔とか罪の意識とか。色んなことが出来なくて失敗したときに兄に優しく励まされながら、心の中でひたすら呟く泣きそうな「ごめんさい」とか。
そんなことはどうでもいい他人や嫌ってる人間に対して感じることでもないしその人らのために改善しようと努力するはずもない。
この世界が嫌いなら徹底して壊してしまえばいい。尊重なんてせずに台無しにしてしまえばいい。
兄なんてしったことかと跳ね除けてしまえばいい。私はこの世界に一人という誰の加護もない恐怖だけでない。
この世界への愛しさとか兄たちへの大なり小なりの好意からそう突き動かされていたはずなのに。
手を伸ばすことが、どうしようもなく怖かった。
「…ッ」
「……え」
そして。
思わず、といったように激しい感情に突き動かされ伸ばした手は再び遥の下へと向かう。そしてその手が彼の手に震えながらも重ねられた途端、彼は目を見張った。
そしてアルビノらしく白く色のない肌が、頬が、色づいていく。
再三言うけれど、彼は白いのでそれが際立つ。見間違いではないことは確かだった。
いつもの兄からしたらあり得ない程ある意味意表を突かれたとでもいうよに間抜け面になってしまった彼をみて、『あ、かわいい』と心の中で呟きぽかんと感心してしまった私。
そして今のことでも分かるようにかわいいなんて好意も何もない人間に対して抱く感情でもなんでもなく、
とうとう私はこの兄を兄だと、いや兄やなんだという括りは一度置いたとしても、一人の人間として、生き物として、人格として、好ましく思って愛着がわいてしまっているのだと自覚を促される。
勿論それは洋兄にも当てはまる。あの時のように切羽詰って追い詰められた状態でなく、望んでいる今なら私はきっと洋兄にも、と思ったところで。
「…────やっぱり、おいてけない」
私はぽつりと小さく、苦々しく言葉を吐いた兄に抱擁された。
突然のことに驚くとか照れるとかいう前に、
モヤシのくせにそんな無理して力こめるとまた手がイカれる…!と変な心配をして嫌な汗をかいてしまっていた私。ある意味パニックだったに違いがないけれど、健康体だった過去がある私より遥の方が明らかに加減がわかってないので同じモヤシでもハラハラもする。
ただ何がなんだかわからないこのイレギュラーへの恐怖もじんわりとわいてきたけれど、やっぱり人の温もりはこんなにも心地いいんだという事実だけが頭に巡り。
ただ目を瞑る。
私はその時ただそれだけしかしなかった。受け入れることが出来たといえそんなに簡単に動悸とか、恐怖心とか、震えとか嫌な汗だとか、サッパリと消えうせることはありえない。ただソレを受け入れようとすることだけで精一杯で。
その言葉の意味を考えることもなく。