来襲天然諦め肝心
3.変わり行く日常と来襲
次の日の朝、あのままレンと寄り添って寝てしまったらしく、身体中を痛めてるかと思えば、軽かった。
何故かベッドに運ばれていて、床にいたはずなのになぁ…と不思議に思った。まさか、まさか。女の子一人を運ぶとか、
レンじゃ、無理…
…じゃ、ない、のかな。男の子だし、それに色々事情があるらしいし、そうでもおかしくない。
恥ずかしく思いながら、隣で寝ている無防備な姿が可愛くて、顔にかかった髪をさらりと流してやったところで、
隣の家が騒がしいことに気が付いた。隣人が帰ってきてるし、そのせいかと思ったけど、何やら甲高い声が聞えてるし…
え、痴話げんか?女連れ込んだ?彼女?どうしようかと気まずい思いでいると、レンがガバリと飛び起きた。
凄く驚いた様子だから、夢見でも悪かったのかと心配になったけど、すぐに口を開いた。
「リン…?」
「へ?リン?…あ、鏡音、リン?」
「…マスター、あの隣人、カイト以外にもボーカロイドがいるの?」
「いっやぁ…聞いたことないけど…あっでも、」
私が「昨日の酒盛りで、新しく女の子が来るんだ〜って言って、」と呟いたところで。
爆音が響いた。
それと共に地響き、プラス砂煙。いや、これは、木の扉が粉砕して、粉になって、舞ってる、ような、
…ここの、部屋の扉が…がちりと壊れた人形のように首をそちらへと向けると、そこには、黄色い存在が。
そしてそれは、笑った。
「レンッ会いたかったー!!!」
そしてレンにとび蹴りをした。
「…ん?あれ…?」
目の前の光景を目に映しながらも現実を受け入れられないでいる。
鏡音リン(と思われる子)がレンに会いたかったとのたまいながらもとび蹴りをする。崩れ落ちたレンの上に覆いかぶさるようにして抱きついてる。
なんて天邪鬼な…
ていうかレン大丈夫なのこれ?え、でも知り合いっぽいし、これも一種の愛の形なのでは…とリンとレンの姿を見ながら動けないでいる。
「どーして何も言わずにいなくなったの!もう会いたくて会いたくてすっごく探したんだよ!!」
「…ご、ふっ」
「外国の家にもいないっていうしもう無駄足ーっ!!ねぇねぇレン、リンにもマスターできたんだよっそれでねっ」
「ぅ、ぐ…」
「ス、ストーップ!!待って待ってちょっと待って!!いったん離れようレンが召される!」
愛の形かとは思ってハラハラ見守ってたけど、レンの細い呻き声が聞こえてたまらず引き剥がした。
バクバク心臓が暴れる音を聞きながら、レンを必死に抱きしめながら脈を確認した方がいいのかとパニックになった。
「れ、レン生きてる…?」と呟くと手を握りかえされたので、その返事の仕方をせざるを得なかったことで大体の容態を把握してしまって地味に動揺した。
「あ、あの、お名前を聞いてもいいかな…?」
「……誰ぇ?」
「え、っ!?え、と、……です…?」
レンは私をマスターと認識してるらしくマスターと呼ぶけど、
私はそれはどうかと思ってるし自分から名乗るのも…と冷や汗だらだらでいれば、
レンが起き上がって言った。
「俺の、マスター…」
「うわあっ」
「…だよね?」
「あれっこの子たち質問返しデフォ?」
なんだかよくわからないことになってる混沌とした空間に怖気づいていると、
二人とも純粋な瞳をじ、っとこちらに向けていてドギマギする。
「…この家に住んでるの?」
「え、あ、まあそうだね」
「…リンのマスターの家、隣?」
「…た、多分、おそらく」
「………遊び放題!!!」
「ごめんマスターこれ頭弱い子だから気にしないで」
唐突に結びつきが出来たのか、遊び放題と認識したらしく叫ぶリン、ちゃん?そんな彼女の首根っこを掴むと部屋の外へと追い出した。
所々破損しているドアの外から「あーっ!!なんでーっ」と叫ぶ声がする。
レンはらしくなく布団に潜り込み二度寝をかまそうとしている。私の手を引いて引きずり込もうとしてる辺り、まさかアレをなかったことにしようとしてるのでは…とハラハラして仕方ない。
「…いいの?」
「……これから騒がしくなるだろうから今だけ休ませて」
「元気なんだねー」
「馬鹿、なんだよ」
そのまま私の手を頬に寄せながら眠るレンにくらりときてしまい、レンは天使、あの子もきっと天使、と考えながら暫く眺めていると、
ドアの外からリンちゃんが消えていて、隣の家から騒がしい声が聞こえてきた。
それを聞いているうちに、私もうとうとしてきてしまって、意識を沈めた。
そこから暫くして。
3.変わり行く日常と来襲
次の日の朝、あのままレンと寄り添って寝てしまったらしく、身体中を痛めてるかと思えば、軽かった。
何故かベッドに運ばれていて、床にいたはずなのになぁ…と不思議に思った。まさか、まさか。女の子一人を運ぶとか、
レンじゃ、無理…
…じゃ、ない、のかな。男の子だし、それに色々事情があるらしいし、そうでもおかしくない。
恥ずかしく思いながら、隣で寝ている無防備な姿が可愛くて、顔にかかった髪をさらりと流してやったところで、
隣の家が騒がしいことに気が付いた。隣人が帰ってきてるし、そのせいかと思ったけど、何やら甲高い声が聞えてるし…
え、痴話げんか?女連れ込んだ?彼女?どうしようかと気まずい思いでいると、レンがガバリと飛び起きた。
凄く驚いた様子だから、夢見でも悪かったのかと心配になったけど、すぐに口を開いた。
「リン…?」
「へ?リン?…あ、鏡音、リン?」
「…マスター、あの隣人、カイト以外にもボーカロイドがいるの?」
「いっやぁ…聞いたことないけど…あっでも、」
私が「昨日の酒盛りで、新しく女の子が来るんだ〜って言って、」と呟いたところで。
爆音が響いた。
それと共に地響き、プラス砂煙。いや、これは、木の扉が粉砕して、粉になって、舞ってる、ような、
…ここの、部屋の扉が…がちりと壊れた人形のように首をそちらへと向けると、そこには、黄色い存在が。
そしてそれは、笑った。
「レンッ会いたかったー!!!」
そしてレンにとび蹴りをした。
「…ん?あれ…?」
目の前の光景を目に映しながらも現実を受け入れられないでいる。
鏡音リン(と思われる子)がレンに会いたかったとのたまいながらもとび蹴りをする。崩れ落ちたレンの上に覆いかぶさるようにして抱きついてる。
なんて天邪鬼な…
ていうかレン大丈夫なのこれ?え、でも知り合いっぽいし、これも一種の愛の形なのでは…とリンとレンの姿を見ながら動けないでいる。
「どーして何も言わずにいなくなったの!もう会いたくて会いたくてすっごく探したんだよ!!」
「…ご、ふっ」
「外国の家にもいないっていうしもう無駄足ーっ!!ねぇねぇレン、リンにもマスターできたんだよっそれでねっ」
「ぅ、ぐ…」
「ス、ストーップ!!待って待ってちょっと待って!!いったん離れようレンが召される!」
愛の形かとは思ってハラハラ見守ってたけど、レンの細い呻き声が聞こえてたまらず引き剥がした。
バクバク心臓が暴れる音を聞きながら、レンを必死に抱きしめながら脈を確認した方がいいのかとパニックになった。
「れ、レン生きてる…?」と呟くと手を握りかえされたので、その返事の仕方をせざるを得なかったことで大体の容態を把握してしまって地味に動揺した。
「あ、あの、お名前を聞いてもいいかな…?」
「……誰ぇ?」
「え、っ!?え、と、……です…?」
レンは私をマスターと認識してるらしくマスターと呼ぶけど、
私はそれはどうかと思ってるし自分から名乗るのも…と冷や汗だらだらでいれば、
レンが起き上がって言った。
「俺の、マスター…」
「うわあっ」
「…だよね?」
「あれっこの子たち質問返しデフォ?」
なんだかよくわからないことになってる混沌とした空間に怖気づいていると、
二人とも純粋な瞳をじ、っとこちらに向けていてドギマギする。
「…この家に住んでるの?」
「え、あ、まあそうだね」
「…リンのマスターの家、隣?」
「…た、多分、おそらく」
「………遊び放題!!!」
「ごめんマスターこれ頭弱い子だから気にしないで」
唐突に結びつきが出来たのか、遊び放題と認識したらしく叫ぶリン、ちゃん?そんな彼女の首根っこを掴むと部屋の外へと追い出した。
所々破損しているドアの外から「あーっ!!なんでーっ」と叫ぶ声がする。
レンはらしくなく布団に潜り込み二度寝をかまそうとしている。私の手を引いて引きずり込もうとしてる辺り、まさかアレをなかったことにしようとしてるのでは…とハラハラして仕方ない。
「…いいの?」
「……これから騒がしくなるだろうから今だけ休ませて」
「元気なんだねー」
「馬鹿、なんだよ」
そのまま私の手を頬に寄せながら眠るレンにくらりときてしまい、レンは天使、あの子もきっと天使、と考えながら暫く眺めていると、
ドアの外からリンちゃんが消えていて、隣の家から騒がしい声が聞こえてきた。
それを聞いているうちに、私もうとうとしてきてしまって、意識を沈めた。
そこから暫くして。