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──息をしていることを知る。
乾いた地面に横たわるソレの中心にあるものは、確かに鼓動しているのです。
自分よりは背が高いけど、まだ幼い子供でした。
ぴくりとも動かないそれは遠目にはもう死んでるんじゃないかと思うほどでした。
──生きている。息をしている。暖かい。
そっと手を伸ばして頬に触れて伝わったそれは生身のひと肌の感触に違いなくて、
私はその生き物との接触にぞっとしました。恐ろしいものを感じたのです。
しかし生きているからこそ、安堵した自分もいます。
行き倒れた人間の亡骸を見つけるなんて気が滅入りますから。
「…あ…」
それは、ふと気配に気が付いたのか、目を覚ましました。
瞼が持ち上がり、ゆるりとあられた瞳に私の姿がうつります。
それは願った通りのことだったのでした。