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見あげるとそこには青い空がありました。
どこまでも遠く伸びる青も雲も、憎たらしくも美しい。

絶景ともいえる上空とは別に、見下ろした地面は乾いたもので、草木も所々枯れているものが多かった。
遠くに見える山だけが鮮やかで、艶のある葉が生い茂っているのだろうことは遠目にもわかりました。


「…生きてる?」


地面には埃っぽい土があって、岩があって、枯れた草木生えていて、そして小さな子供が横たわっていました。
全体的に生気のないこの空間で、あの子供が息をしているのかどうか疑問でした。
触って確かめる気にもなれず、じゃあどうしようかと考えて私は近づいてそっとそれを覗きこむことに決めました。
決めてしまったのでした。