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目を覚ましました。
それでも、私は相変わらず何もわからないままでいます。
何もかも夢ではなく、しかしまるで現実味がない。
ぼんやりと夢の中にいるような心地で座り込んでいました。
身体は動かないけど、頭は思考することを止めません、不毛な自問自答を続けます。
「ほしい」
と、なんとなしに試すように口にしてみました。短い三文字はするりと難なく喉から出て来て、
無理矢理捻り出した時の苦悶とか、脅され言わされた時のような硬さとか、そういう違和感を感じさせません。
何かを得たいという欲求は、案外自分に馴染みのあるものなのでしょうか。言葉にすることに抵抗がありません、響きが自然です。
自分が何を得たいと思っているのかは、わかりません。