第六十七話
4.分岐点彼がかみさま


不快な声が頭の中でいつまでも反芻します。反響します。残響が消えてなくなりません。木霊し続けて煩いのです。
こんなにも癇に障るのはどうしてでしょう。不愉快で仕方ない。腸が煮えくりかえる程の衝動をずっと抱え続けている。
しかし響き続けて何千年、私はようやく吐き捨てることが出来ることができるのです。


「手に入れてやりますとも」


素直に頷き返すしか出来ないのではなく、確信をもってそう言い切り突き放してやれるのはとてもいい気分でした。


2019.1.23